家を建てる時って何にどれだけの費用がかかるの?項目別に解説
最終更新日:

家を建てる際には、様々な費用がかかります。
土地購入費用、建築工事費用、その他の諸経費など、多岐にわたる費用項目があり、それぞれの内訳を理解することが重要です。
特に建築工事費用は、家づくりの中心となる部分で、基礎工事、躯体工事、内外装工事、設備工事など、様々な工程で費用がかかります。
これらの費用を適切に把握し、コントロールすることが、予算内で理想の家を建てるための鍵となるでしょう。
1. 家を建てる際の主な費用項目
家を建てる際の費用項目を大きく分けると、土地購入費用、建築工事費用、そしてその他の諸経費の3つに分類できます。
家を建てる際には、これらの費用項目を把握し、適切な予算を立てることが重要です。
1-1. 土地購入費用について
家を建てる際の最初の大きな費用は、土地購入費用です。
土地の価格は、立地条件や面積、地形などによって大きく異なります。
都心部や人気のある住宅地では、土地の価格が高くなる傾向にあります。
土地購入費用には、土地代だけでなく、不動産仲介手数料、登記費用、印紙代、固定資産税などの諸経費も含まれます。
土地購入費用は、家を建てる総費用の中で大きな割合を占めるため、慎重に検討する必要があります。
1-2. 建築工事費用の内訳
家を建てる際の中心となる費用は、建築工事費用です。
建築工事費用は、家の規模や仕様、使用する材料などによって異なります。
一般的な建築工事費用の内訳は以下の通りです。
基礎工事費
家の基礎を作るための費用で、地盤調査費用や掘削費用、コンクリート打設費用などが含まれます。
躯体工事費
家の骨組みを作るための費用で、鉄筋コンクリート工事や木工事などが含まれます。
外装工事費
家の外観を仕上げるための費用で、屋根工事や外壁工事、サッシ工事などが含まれます。
内装工事費
家の内装を仕上げるための費用で、床工事や壁工事、天井工事、建具工事などが含まれます。
設備工事費
家の設備を整えるための費用で、電気工事や給排水工事、ガス工事、空調工事などが含まれます。
建築工事費用は、家を建てる総費用の中で最も大きな割合を占めます。
予算内で質の高い家を建てるためには、適切な材料選びや工法の選択が重要です。
1-3. その他の諸経費
家を建てる際には、土地購入費用や建築工事費用以外にも、様々な諸経費がかかります。
主なその他の諸経費は以下の通りです。
設計料
家の設計を依頼する際にかかる費用で、設計事務所や工務店に支払います。
各種申請費用
建築確認申請や各種許可申請などに必要な費用で、行政書士や建築士に依頼することが一般的です。
地盤調査費用
建築予定地の地盤の状態を調査するための費用で、専門の調査会社に依頼します。
住宅ローン関連費用
住宅ローンを利用する際にかかる費用で、借入額や金利によって異なります。
事務手数料や保証料、火災保険料などが含まれます。
引っ越し費用
新しい家に引っ越す際にかかる費用で、引っ越し業者に依頼する場合は見積もりを取ることをおすすめします。
これらの諸経費は、家を建てる総費用の中では比較的小さな割合ですが、事前に把握しておくことで、スムーズに家づくりを進めることができます。
2. 建築工事費用の詳細解説
家を建てる際に最も気になるのが、建築にかかる費用ではないでしょうか。
しかし、建築工事費用は一概には言えず、様々な要素によって大きく変動します。
ここでは、家を建てる時に必要となる主要な建築工事費用について、項目別に詳しく解説していきます。
2-1. 基礎工事にかかる費用
家づくりの第一歩となるのが基礎工事です。基礎は家の土台となる部分で、家の耐久性や安全性に大きく関わります。
そのため、しっかりとした基礎工事が必要不可欠です。
基礎工事の費用は、地盤の状態や工法によって異なりますが、一般的に建築工事費全体の10~15%程度を占めると言われています。
地盤調査の費用
基礎工事を行う前に、必ず地盤調査を行う必要があります。
地盤調査には、ボーリング調査と簡易な地盤調査の2種類があり、費用は10~30万円程度かかります。
基礎の種類と費用の目安
基礎の種類には、ベタ基礎、布基礎、杭基礎などがあり、地盤の状態や建物の構造によって選択します。
一般的なベタ基礎の場合、30~50万円程度の費用がかかります。
布基礎の場合は60~100万円、杭基礎の場合は100~200万円程度と、より高額になります。
2-2. 躯体工事の費用内訳
基礎工事が完了すると、いよいよ家の骨組みを作る躯体工事が始まります。
躯体工事は、柱や梁、床、屋根などを構築する重要な工程です。
躯体工事の費用は、建物の構造や規模によって大きく異なりますが、一般的に建築工事費全体の30~40%を占めます。
木造住宅の躯体工事費用
木造住宅の場合、柱や梁などの材料費と人件費が主な費用となります。
坪単価は60~80万円程度が目安です。
鉄骨造住宅の躯体工事費用
鉄骨造住宅の場合、鉄骨の材料費と加工費、組立費が必要になります。
木造に比べて費用が高く、坪単価は70~100万円程度となります。
RC造住宅の躯体工事費用
鉄筋コンクリート造(RC造)住宅の躯体工事は、型枠の設置、鉄筋の組立て、コンクリートの打設などが行われます。
費用は最も高く、坪単価は100~150万円以上かかることもあります。
2-3. 内外装工事の予算配分
躯体工事が終了すると、内装と外装の仕上げ工事を行います。
内外装工事では、壁や床、天井などの内装と、屋根や外壁などの外装を施工します。
内外装工事の費用は、使用する材料のグレードによって大きく左右されます。
一般的に、建築工事費全体の25~35%程度を占めると言われています。
内装工事の費用配分
内装工事では、床材、壁材、天井材、建具、キッチン、バスルームなどの材料費と施工費が主な費用となります。
内装工事の中でも、特にキッチンとバスルームは費用が高くなる傾向にあります。
標準的なグレードの内装工事の場合、坪単価は40~60万円程度が目安です。
外装工事の費用配分
外装工事では、屋根材、外壁材、窓、ドアなどの材料費と施工費が必要になります。
このうち、屋根と外壁の材料選びが外装工事費用に大きく影響します。
一般的な外装工事の坪単価は、30~50万円程度が目安となります。
2-4. 設備工事費用の目安
住宅の設備工事は、電気設備、給排水設備、空調設備、ガス設備などが含まれます。
設備工事費用は、建築工事費全体の15~25%程度を占めると言われています。
電気設備工事の費用
電気設備工事では、照明器具、コンセント、スイッチ、配線などの材料費と施工費が必要になります。
また、太陽光発電システムやHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を導入する場合は、別途費用がかかります。
一般的な電気設備工事の坪単価は、15~25万円程度が目安です。
給排水設備工事の費用
給排水設備工事は、水回り(キッチン、トイレ、浴室、洗面所)の水道管や排水管、衛生器具などの材料費と施工費が主な費用となります。
標準的な給排水設備工事の坪単価は、20~30万円程度が目安です。
空調設備工事の費用
空調設備工事では、エアコンやダクト、換気システムなどの材料費と施工費が必要になります。
近年は、全館空調システムを導入する家庭も増えており、その場合は費用が高くなる傾向にあります。
空調設備工事の坪単価は、10~20万円程度が一般的な目安です。
以上、家を建てる際に必要となる主要な建築工事費用について、項目別に解説しました。
建築工事費用は、地域や建物の仕様、材料のグレードなどによって大きく異なるため、具体的な費用は工務店に相談することをおすすめします。
3. 建築費用を抑えるポイント
建築費用を抑えるためには、いくつかの重要なポイントに注目する必要があります。
建築材料の選択、工法や設計の工夫、ローコスト住宅の活用など、様々な方法があります。
これらの方法を適切に組み合わせることで、質を落とすことなく費用を抑えることが可能です。
3-1. 建築材料の選択による節約術
建築材料の選択は、建築費用に大きな影響を与えます。
高価な材料を使用すれば、当然建築費用は高くなります。
一方、適切な材料を選択することで、コストを抑えることができます。
例えば、外壁材としてサイディングを選択する代わりに、モルタルを使用することで費用を抑えることができます。
また、床材として高級な無垢材を使用する代わりに、化粧板やフローリングを選択することで、コストダウンが可能です。
ただし、安価な材料を選ぶあまり、耐久性や性能が低下してしまうことのないよう注意が必要です。
長期的な視点で見れば、安価な材料を使用することで、かえって修繕費用がかさむ可能性もあります。
材料選びには、価格だけでなく、質や性能のバランスを考慮することが重要です。
3-2. 工法や設計によるコストダウン
建築費用を抑えるためには、工法や設計の工夫も欠かせません。
適切な工法や設計を採用することで、無駄なコストを削減することができます。
例えば、在来工法よりも工期が短く、材料の無駄が少ない工業化住宅を選択することで、建築費用を抑えることができます。
また、シンプルな設計にすることで、複雑な施工を避け、コストダウンにつなげることが可能です。
さらに、将来的な拡張性や可変性を考慮した設計にすることで、将来の改築や増築の際のコストを抑えることもできます。
長期的な視点に立った設計は、初期コストは高くつくかもしれませんが、トータルでみれば費用を抑えることにつながります。
3-3. ローコスト住宅のメリットとデメリット
建築費用を大幅に抑えたい場合、ローコスト住宅を選択するという方法もあります。
ローコスト住宅は、規格化された部材を使用し、設計や施工を合理化することで、低価格を実現しています。
ローコスト住宅のメリットは、何といっても価格の安さです。
一般的な住宅と比べて、建築費用を大幅に抑えることができます。また、工期が短いことも大きな利点です。
しかし、ローコスト住宅にはデメリットもあります。
規格化された設計のため、自由度が低く、個別のニーズに対応しにくいという問題があります。
また、低価格を実現するために、材料や設備のグレードが低くなる傾向があります。
ローコスト住宅を選ぶ際は、メリットとデメリットを十分に理解し、自分のニーズに合うかどうかを慎重に判断する必要があります。
価格だけでなく、質や性能、自由度などを総合的に考慮することが重要です。
建築費用を抑えるためには、様々な方法があります。建築材料の選択、工法や設計の工夫、ローコスト住宅の活用など、それぞれの方法にメリットとデメリットがあります。
自分のニーズや予算に合わせて、適切な方法を選択することが重要です。
また、建築費用を抑えることは重要ですが、安全性や耐久性、居住性を犠牲にしてはいけません。
適切なバランスを保ちながら、賢明な選択をすることが求められます。
専門家のアドバイスを参考にしながら、慎重に検討を重ねることをおすすめします。
4. 住宅ローンと支払いプラン
家を建てる際に最も重要な資金計画の一つが住宅ローンです。
適切な住宅ローンを選択し、無理のない返済プランを立てることが、安心して住宅購入を進める上で欠かせません。
4-1. 住宅ローンの種類と特徴
住宅ローンには大きく分けて、固定金利型と変動金利型の2種類があります。
固定金利型は、返済期間中の金利が一定で、返済額も変わりません。
一方、変動金利型は市場金利に応じて金利が変動するため、返済額も変動します。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の状況に合ったローンを選ぶことが大切です。
4-2. 頭金と月々の返済額のバランス
住宅ローンを組む際、頭金の有無や金額によって、月々の返済額が変わってきます。
頭金を多く用意できれば、借入額が減るため、月々の返済額を抑えることができます。
しかし、頭金を用意するために他の資金計画に影響が出ては本末転倒です。
無理のない範囲で頭金を用意し、月々の返済額とのバランスを取ることが重要です。
4-3. ボーナス払いや繰上返済の活用法
住宅ローンの返済方法として、毎月の返済に加えてボーナス時に追加で返済するボーナス払いや、余裕資金を使って繰上返済する方法があります。
これらを上手に活用することで、返済期間を短縮したり、支払う利息を減らしたりすることができます。
ただし、手数料などのコストもかかるため、メリットとデメリットを十分に検討する必要があります。
4-4. 返済期間の長短による影響
住宅ローンの返済期間は、一般的に10年~35年程度の幅があります。
返済期間が長いほど月々の返済額は少なくなりますが、支払う利息の総額は増えてしまいます。
返済期間が短いと月々の返済額は多くなりますが、利息の総額を抑えることができます。
自分の収入や生活スタイル、将来設計などを考慮して、最適な返済期間を選ぶことが大切です。
住宅ローンは長期にわたる大きな金銭的責任を伴うものです。
専門家のアドバイスを参考にしながら、自分の状況をしっかりと見極め、無理のない支払いプランを立てることが、家を建てる際の重要なポイントと言えるでしょう。
5. まとめ
家を建てる際には、土地購入費用、建築工事費用、諸経費など様々な費用がかかります。
特に建築工事費は、基礎、躯体、内外装、設備工事など多岐にわたり、適切な予算配分が重要です。
建築費用を抑えるには、建材選びや工法・設計の工夫、ローコスト住宅の活用などの方法がありますが、安全性や耐久性とのバランスを考慮する必要があります。
住宅ローンは返済期間や方法を慎重に検討し、無理のない支払いプランを立てましょう。
この記事が、賢明な家づくりの一助となれば幸いです。

ホームマップ編集部
一級建築士や宅地建物取引士、インテリア・福祉住環境コーディネーター、住宅営業、およびファイナンシャルプランナーが在籍しております。私たちは、住宅や生活空間に関する深い知識と実務経験を生かし、読者の皆様にとって有益で実践的な情報を提供することを目指しています。家づくりに必要な知識から、インテリアの最新トレンド、資金計画まで、各分野の専門家が連携を取りながら、質の高い内容をお届けします。私たちの記事が、より良い家づくりを実現するお手伝いとなれば幸いです。