家を建てるなら知っておくべき、家づくりの流れ
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家を建てるという大きな決断をされた後は、期待と不安が入り混じるものです。
注文住宅を建てる際には、多くの選択肢があり、たくさんの決定をしなければなりません。
しかし、家づくりの流れを知ることで、スムーズに理想の住まいを実現することができます。
本記事で家を建てる際の流れと知っておくべきポイントについて解説します。
家づくりを検討されている方は計画を立てる時の参考にしてみてください。
1. 家づくりを始める前に知っておくべきこと
家づくりを始める前に、まずは自分自身や家族のライフスタイルや将来設計について深く考えることが大切です。
家づくりの目的と優先事項を明確にし、予算の設定と資金計画を立て、土地選びのポイントと注意点を押さえ、住宅ローンの基礎知識と借入額の目安を理解しておくことが、スムーズな家づくりへとつながります。
1-1. 家づくりの目的と優先事項を明確にする
家づくりを始める際、まず考えるべきことは、なぜ家を建てるのかという目的です。
単に今の住まいに不満があるからなのか、家族が増えるからなのか、将来的な資産形成のためなのかなど、目的を明確にすることが重要です。
また、家づくりにおいて何を最も重視するのかを考えましょう。
例えば、広さや間取り、デザイン性、省エネ性能、利便性など、優先順位をつけることで、家づくりの方向性が定まります。
1-2. 予算の設定と資金計画を立てる
家づくりには多額の費用がかかるため、予算の設定と資金計画は欠かせません。
家づくりにかけられる予算を現実的に設定し、自己資金と借入金のバランスを慎重に検討する必要があります。
また、建築費用だけでなく、土地購入費、諸経費、引っ越し費用、インテリア費用なども含めて総合的に資金計画を立てましょう。
計画的に資金を準備することで、無理のない家づくりが可能になります。
1-3. 土地選びのポイントと注意点
家づくりにおいて、土地選びは成否のカギを握る要素です。
立地や周辺環境、日当たりや風通し、地盤の状態など、様々な観点から土地を評価する必要があります。
また、土地の購入に際しては、法的規制や建築制限、接道条件などの確認が不可欠です。
土地の選択を誤ると、家づくりに大きな影響を与えかねないため、慎重に検討することが求められます。
1-4. 住宅ローンの基礎知識と借入額の目安
多くの人にとって、家づくりには住宅ローンが欠かせません。
住宅ローンの仕組みや種類、金利の動向などの基礎知識を身につけ、自分の将来設計に合ったローンを組みましょう。
借入額の目安としては、年収の3〜4倍程度が一般的とされています。
ただし、この目安はあくまで参考であり、個人の状況によって異なります。
無理のない返済計画を立てられるよう、家計の状況をしっかりと把握した上で、借入額を決定しましょう。
以上のように、家づくりを始める前には様々な事項を検討し、準備しておく必要があります。
目的や優先事項を明確にし、予算と資金計画を立て、適切な土地を選び、住宅ローンについて理解を深めることで、理想の家づくりへと一歩近づくことができるでしょう。
2. 家づくりの計画段階で行うべきこと
家を建てるという大きな決断をした後、いよいよ家づくりの計画が本格的にスタートします。
計画段階では、自分たちの理想の家を実現するために、様々な検討や準備が必要となります。
この段階でしっかりと時間をかけて検討することで、満足のいく家づくりに繋がります。
ここでは、家づくりの計画段階で行うべきことを詳しく解説していきます。
2-1. 間取りの検討とライフスタイルに合わせた設計
家づくりの計画で最も重要なのが、間取りの検討です。
家族構成やライフスタイルを考慮し、将来的な変化にも対応できる間取りを考えましょう。
子供部屋の位置や数、リビングの広さ、収納スペースの確保など、生活する上で必要な要素を洗い出すことが大切です。
また、プライバシーを重視するか、家族の交流を大切にするかによって、間取りの方向性も変わってきます。
設計士と綿密に打ち合わせを行い、要望をしっかりと伝えることが重要です。
間取り検討のポイント
- 家族構成や将来的な変化を考慮する
- ライフスタイルに合わせた動線を意識する
- 適切な収納スペースを確保する
- プライバシーと家族の交流のバランスを考える
2-2. 建築会社・工務店選びの方法とポイント
間取りが決まったら、次は建築会社や工務店選びです。
信頼できる建築会社・工務店を選ぶことが、家づくりの成功の鍵を握ります。
単に価格の安さだけで判断するのではなく、実績や評判、アフターサービスの充実度なども総合的に判断しましょう。
複数の会社に見積もりを依頼し、提案内容や価格を比較検討することをおすすめします。
また、実際に建てた家の見学会に参加したり、施工事例を見せてもらうことで、会社の特徴や強みを知ることができます。
建築会社・工務店選びのポイント
- 実績と評判を確認する
- アフターサービスの充実度をチェックする
- 複数社から見積もりを取り、比較検討する
- 見学会や施工事例で会社の特徴を知る
2-3. 建材や設備の選定と予算配分
間取りが決まり、建築会社・工務店が決まったら、いよいよ建材や設備の選定です。
予算と性能のバランスを考えながら、自分たちの理想の家に合った建材や設備を選びましょう。
外壁材や屋根材、床材、キッチンやバスルームの設備など、選択肢は多岐に渡ります。
また、予算配分も重要なポイントです。
優先順位を決めて、こだわりたい部分には予算を多めに配分するなど、メリハリをつけることが大切です。
建築会社・工務店からのアドバイスを参考にしながら、最適な選択ができるよう努めましょう。
建材・設備選定のポイント
- 予算と性能のバランスを考える
- 自分たちの理想の家に合ったものを選ぶ
- 優先順位を決めて予算配分する
- 建築会社・工務店からのアドバイスを参考にする
3-4. 各種手続きと必要書類の準備
家づくりには、各種手続きや必要書類の準備も欠かせません。
建築確認申請や住宅ローンの手続き、各種補助金の申請など、スムーズに進めるためにも早めの準備が大切です。
必要な書類を漏れなく揃え、期日に余裕を持って手続きを進めましょう。
建築会社・工務店によっては、手続きのサポートをしてくれる場合もあります。
手続きの流れや必要書類について、早い段階で確認しておくとよいでしょう。
主な手続きと必要書類
- 建築確認申請
- 住宅ローンの申込み
- 各種補助金の申請
- 地盤調査や境界確定など
家づくりの計画段階では、間取りの検討から建築会社・工務店選び、建材や設備の選定、各種手続きと必要書類の準備まで、様々なことを進めていく必要があります。
時間をかけてじっくりと検討し、理想の家を実現するために最適な選択ができるよう努めましょう。
この段階での検討が、家づくりの成功を大きく左右すると言っても過言ではありません。
建築会社・工務店とのコミュニケーションを密にとり、要望をしっかりと伝えることも大切です。
専門家からのアドバイスを参考にしながら、自分たちの理想の家づくりを実現していきましょう。
3. 着工から完成・引き渡しまでの流れ
いよいよ着工を迎え、家づくりが本格的にスタートします。
着工から完成・引き渡しまでの間にも、多くの重要なプロセスが含まれています。
この期間中、施主と建築会社は緊密に連携を取りながら、計画通りに工事が進むように努めていきます。
ここでは、着工から完成・引き渡しまでの主な流れについて解説していきます。
3-1. 地盤調査と基礎工事の重要性
着工に先立って、まず行われるのが地盤調査です。
地盤調査は、建物の安全性を確保するために欠かせないプロセスです。
地盤の状態を詳しく調べることで、建物に適した基礎工事の方法を決定することができます。
地盤調査の結果を踏まえ、基礎工事がスタートします。
一般的な基礎工事の流れは以下の通りです。
- 掘削工事
- 砕石の敷き込み
- 型枠の設置
- 鉄筋の組み立て
- コンクリートの打設
基礎工事は、建物全体を支える部分です。
施工品質を確保するために、施主も工事の進捗状況を確認しておく必要があります。
3-2. 上棟式と建築工程の管理
基礎工事が完了すると、いよいよ建物の骨組みを組み立てる上棟工事が始まります。
上棟工事が完了した時点で、建物の全体像が見えてきます。
多くの場合、上棟工事の完了時に上棟式が行われます。
上棟式は、建物の無事を祈願し、工事関係者の士気を高める儀式です。
上棟後は、建築工程の管理が重要になってきます。
工程管理では、予定通りに工事が進んでいるかを確認し、問題があれば速やかに対応していきます。
施主も定期的に現場を訪れ、工事の進捗状況を把握しておくことが大切です。
3-3. 内装・設備工事の進捗確認とチェックポイント
建物の骨組みが完成すると、内装・設備工事がスタートします。
内装工事では、壁や床、天井などの仕上げを行います。
設備工事では、電気・水道・ガスなどの配管や配線を行います。
内装・設備工事は、建物の機能性や居住性に直結する工程です。
施主は、定期的に現場を訪れ、工事の進捗状況を確認することが大切です。
その際、以下のようなポイントをチェックしておきましょう。
- 間取りや寸法は計画通りか
- 壁や床の仕上がりは満足できるものか
- 電気・水道・ガスの配管や配線は適切に行われているか
- 設備機器の性能や操作性に問題はないか
内装・設備工事の段階で、不具合や変更点があれば、早めに建築会社と相談し、対応を決めていきましょう。
3-4. 完成検査と引き渡し手続き
すべての工事が完了すると、いよいよ完成検査の段階に入ります。
完成検査では、建物が設計図通りに施工されているか、また施工品質に問題がないかを確認します。
検査の主なポイントは以下の通りです。
各部屋の寸法や仕上がり
部屋の寸法が設計図通りであるか、また壁や床、天井の仕上がりに問題がないかを確認します。
設備機器の動作確認
電気・水道・ガスなどの設備機器が正常に動作するかを確認します。
また、給湯器やエアコンなどの操作方法についても説明を受けます。
外構工事の完了
門扉や塀、駐車場などの外構工事が完了しているかを確認します。
完成検査で問題がなければ、いよいよ引き渡しとなります。
引き渡しの際には、建物の鍵や各種取扱説明書、保証書などを受け取ります。
また、建築会社から建物のメンテナンス方法についての説明を受けます。
引き渡し後も、建物の状態を定期的にチェックし、適切なメンテナンスを行っていくことが大切です。
そうすることで、長く快適に建物を使い続けることができるでしょう。
4. アフターサービスと長期的なメンテナンス
4-1. 保証期間と点検の重要性
一般的に、新築住宅の保証期間は10年間が標準となっています。
この期間中、建築会社は定期的な点検を行い、建物の不具合や欠陥を早期に発見し、無償で修繕を行う責任があります。
点検の頻度は、引き渡し後1年目、2年目、5年目、10年目が一般的です。
点検の内容は、建物の構造、外壁、屋根、設備機器などの状態を確認し、必要に応じて修繕や調整を行います。
住まい手も、日常的な住宅の状態を観察し、異常があれば早めに建築会社に連絡することが大切です。
4-2. 定期的なメンテナンス
保証期間終了後も、住宅の性能と価値を維持するためには、定期的なメンテナンスと修繕が欠かせません。
住宅は、経年劣化やさまざまな外的要因によって、少しずつ傷んでいくものだからです。
メンテナンスには、日常的な清掃や点検、定期的な塗装やコーキングの打ち替え、設備機器の点検・交換などが含まれます。
これらを怠ると、小さな不具合が大きな損傷につながり、修繕費用が膨らむ恐れがあります。
4-3. 住宅設備の更新時期と費用の目安
住宅設備は、建物本体と比べて耐用年数が短く、定期的な更新が必要です。
一般的な住宅設備の耐用年数と更新費用の目安は以下の通りです。
- 給湯器:10~15年、60~100万円
- エアコン:10~15年、20~50万円
- キッチン:15~20年、100~200万円
- 浴室:20~25年、100~200万円
- トイレ:20~25年、50~100万円
これらの設備は、技術の進歩によって省エネ性能や機能性が向上しているため、更新時にはランニングコストの削減や利便性の向上が期待できます。
設備の更新時期は、耐用年数だけでなく、日常的な点検や不具合の有無によって判断します。
計画的な更新を心がけ、必要な資金は早めに準備しておくことが賢明です。
4-4. リフォーム・リノベーションの可能性と注意点
ライフスタイルの変化や家族構成の変化に合わせて、リフォームやリノベーションを検討することも大切です。
リフォームは、現在の間取りを維持しながら、内装や設備を更新する工事です。
一方、リノベーションは、間取りの変更を伴う大規模な工事を指します。
リフォームやリノベーションを行う際は、以下の点に注意が必要です。
- 目的とする生活スタイルに合わせて、適切な設計と施工業者選びを行う。
- 建物の構造や耐久性を十分に考慮し、無理のない計画を立てる。
- 工事費用と期間を適切に見積もり、資金計画を立てる。
- 必要な許可や申請手続きを怠らない。
リフォームやリノベーションは、住宅の価値を高め、快適性を向上させる有効な手段ですが、十分な準備と専門家との連携が不可欠です。
適切なタイミングで計画的に実施することが、長く愛着を持って住み続けるためのポイントといえるでしょう。
5. まとめ
本記事では、家を建てる際の流れと知っておくべきポイントについて解説しました。
家づくりは人生の大きなイベントであり、事前の準備と計画が成功の鍵を握ります。
家づくりを始める前には、目的や優先事項を明確にし、予算と資金計画を立てることが大切です。
適切な土地選びや住宅ローンの理解も欠かせません。
計画段階では、間取りやハウスメーカー選び、建材・設備の選定などをじっくり検討しましょう。
着工後は、地盤調査や基礎工を含めた工程管理に注意を払います。
内装・設備工事では、定期的な進捗確認とチェックが大切です。
完成検査を経て引き渡しを迎えたら、長期的なメンテナンスとアフターサービスに目を向けていきましょう。

ホームマップ編集部
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