ハウスメーカーのメリット・デメリットを解説!
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新築住宅を建てようとするにあたって、「ハウスメーカーで建築するべきか、工務店で建築するべきか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
実際、住宅を建築するにあたってはハウスメーカーと工務店それぞれにメリット・デメリットがあることから、決められず困ってしまう方が多くいるのが現状です。
そこでこの記事では、ハウスメーカーに依頼する場合のメリット・デメリットについて解説していきたいと思います。どちらに頼むべきかお悩みの方は、住宅展示場や工務店の事務所にお邪魔してお話をする前に、是非ご一読ください。
1.ハウスメーカーのメリット
まずはハウスメーカーと工務店について、何が違うのか触れていきたいと思います。
実はハウスメーカーと工務店には明確に線引きはないのですが、一般的には「会社の規模が大きく全国展開しているのがハウスメーカー」、「比較的小規模で地元密着の建築会社が工務店」といった認識で分けられます。
低層住宅の着工数から見ると工務店に比べてハウスメーカーの方が多いのですが、だからハウスメーカーが優秀と判断してしまうのは少々乱暴です。
さてそれでは本題に入り、ハウスメーカーのメリットについてお伝えしていきます。
1-1.展示場やモデルハウスでイメージを確認できる
代表的なメリットとして、実際に目で見てその会社の建築のイメージを確認し、自分が考えている家のイメージとの比較ができるといった点が挙げられます。
また、どの都道府県でも複数の総合住宅展示場があることから、気軽に実物を見に行ける点もハウスメーカーの特徴です。
実際の建物を見ることで、具体的な完成形のイメージを確認出来ることはハウスメーカーに依頼する上で大きな安心材料の一つであると言えるでしょう。
1-2.品質が安定している
次にあげるメリットとしては、住宅の安定した品質が期待できるという点です。
ハウスメーカーの住宅は量産体制を確立するために工業化されている比率が比較的高く、また住宅を構成するパーツが規格化されていることも多いです。 そのため、現場環境や職人による制度のバラつきが少なく、安定した品質での建築を実現しています。
実際に、安定した品質の証明でもある世界共通規格であるISO9001を取得しているハウスメーカーも多くあります。
また企業としての規模が大きいため、欠陥や手抜きが発覚した際の社会的リスクが大きいことも、品質を担保する一つの要因かもしれませんね。
1-3.ローンの審査に通りやすい
建築のイメージや建物自体の事に限らず、住宅ローンの審査に比較的通りやすいというのも大きなメリットの一つです。
金融機関にとってハウスメーカーは、工務店に比べて住宅ローンを案内してくれる件数が圧倒的に多く、とても大事なお客様です。そのことから、工務店の住宅に比べてハウスメーカーから紹介された住宅ローンの方が通りやすいというのは、実は結構ある話です。
もちろんこういった事情だけでなく、ハウスメーカーの建物は「高耐震住宅」として規格された商品も多く、そもそもの住宅ローンの基準に通りやすい点も要因として挙げられます。
また、ハウスメーカーは金融機関と提携している会社が主であるケースや、グループ内に金融機関を持つ会社があるケースなど、工務店に比べてローン審査が通りやすい傾向にあります。
ただし、金融機関の審査の最終判断は本人の与信による所が大きいので、あくまで建築主様次第でもあるということは忘れないように注意してください。
1-4.倒産リスクが低い
住宅はとても大きな買い物です。
ですので建築中や建物の保証期間中の施工会社の倒産リスクも気になって当然の悩み事かと思います。
特に建築中においてはこの倒産リスクは重大な懸念点で、例え着手金や中間金を支払って工事をしていたとしても引渡し前の建物の所有権は建築会社にあるという所が悩みの種です。債権・債務の整理を付けないと他の会社に依頼することも出来ないという、大変面倒な自体に陥りかねません。
こういったリスクを考えると、小規模な工務店よりも、資本力が大きく万が一の時でも体力のありそうなハウスメーカーの方が安心できるという考えも納得です。
また、近年はコロナ破綻により倒産する工務店が続出している点も、ハウスメーカーの方が安心できることに繋がります。
ちなみに、万が一の建築会社の倒産等により施工が止まってしまった場合に施主の負担を軽減する「住宅完成保証制度」という保証サービスもありますので、規模の小さな工務店で建築する場合、こういった制度も活用すると良いかもしれません。
2.ハウスメーカーのデメリット
ここまでハウスメーカーに建築を依頼するメリットについてお伝えしてきました。当然ですがメリットだけでなく、デメリットもあります。
メリットを知ることも重要ですが、住宅の様な大きな買い物ですからデメリットも理解した上で進めていくことが大切です。
ここでは大きく2つのデメリットについてお伝えしていきます。
2-1.設計の自由度とデザイン性に制限がある
ハウスメーカーの住宅には品質の安定性や量産体制の確立が出来ているが故に生じるデメリットがあります。
それが設計の自由度の低さや、デザインに制限があることです。
規格化されたパーツから家を組み立てていくため、作れる家の自由度が狭まります。
具体的には、間取りの区切り方や配置・収納の広さ等、様々な部分で融通が利かないケースや、追加費用がかかってしまうケースが出ています。
それでも最近ではバリエーションが増えていたり、規格の多様化で自由度が増してきたりしていますので、少しでも思いついた希望があったら話してみるのが得策かと思います。
ただ、完全フルオーダーの工務店に比べると自由度の面では一歩劣ります。
また、住宅製品が規格化されているがために、狭小地や変形地等での建築が難しかったりと、建てる土地にも制限がある場合がありますので、そういった土地で建築を考えている方はお気を付けください。
2-2.価格が高いケースがある
ハウスメーカーの住宅は工務店と比べて割高になるケースがあります。
これは、全国展開のためにかけている広告費や、会社規模なりの経営費、また規格化の為の開発費などが盛り込まれているからです。
特にプランニングに拘りがあり、セミオーダーとすることで追加料金が発生したりする場合、その傾向は顕著になります。
ただし、最新技術を導入した家を作る場合は、高い品質での量産体制を確立しているハウスメーカーの方が安く済むケースも多々あります。
そのため、どちらの方が安く済むのかに関しては、施主様ご自身の拘りや条件によってケースバイケースですので、ハウスメーカーと工務店でしっかり比較して進めていくことが重要です。
3.まとめ
さて今回は、新築住宅を建てるにあたって重要な「工務店なのかハウスメーカーなのか」という問題に、ハウスメーカーのメリット・デメリットという観点から切り込んでいきましたがいかがでしたでしょうか。
ハウスメーカーで建築するメリットとしては、
- 完成形の建物のイメージを確認しやすい
- 品質が安定している
- 住宅ローンの審査に通りやすい
- 建築会社の倒産リスクの低さ
一方でデメリットとしては、
- 設計の自由度やデザイン性に制限
- 価格が高くなるケースが多い
といった点について詳しくお伝えしてきました。
新築住宅の建築というのは、ほとんどの場合は一生に一度の、その上一生で一番大きな買い物です。
だからこそ失敗することなく、出来上がってからも住んでからも、更にはそこで一生を終えるまで「良い買い物をした」と思えるものにしたいですよね。
慎重を期し、勉強して挑みたいことは多々あるかと思いますが、この「工務店・ハウスメーカー問題」も勿論その一つです。
この記事で学んで頂いたハウスメーカーで建築するメリット・デメリットの知識を活かし、より良い理想の住宅を実現できることをお祈りしております。

ホームマップ編集部
一級建築士や宅地建物取引士、インテリア・福祉住環境コーディネーター、住宅営業、およびファイナンシャルプランナーが在籍しております。私たちは、住宅や生活空間に関する深い知識と実務経験を生かし、読者の皆様にとって有益で実践的な情報を提供することを目指しています。家づくりに必要な知識から、インテリアの最新トレンド、資金計画まで、各分野の専門家が連携を取りながら、質の高い内容をお届けします。私たちの記事が、より良い家づくりを実現するお手伝いとなれば幸いです。