新築でも臭う?シンク下や排水口のニオイを解消するための3つのポイント

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新築でも臭う?シンク下や排水口のニオイを解消するための3つのポイント

キッチンのシンク周辺のニオイが気になることってありませんか?


新築の新しい設備であっても、シンク下や排水口が臭うことだってあります。

 

そのまま放置しておくのは、状況の悪化を招くため得策ではありません。


万が一、施工不良であった場合は速やかな対処が必要になります。

 

原因を知り、対策することでニオイの気にならないキッチンを実現できます。

 

 

この記事では、新築であってもニオイが気になる場合の対策を解説していますので参考にしてみてください。
 

 

1. ニオイの箇所とその原因

ニオイが気になる箇所はいくつかパターンがあります。まずは臭いの発生箇所を特定しましょう。

 

1-1. シンク下のスペースが臭う

シンク下の収納扉を開くとカビのようなニオイがする場合があります。

 

湿気の多い場所のため長年住んでいる場合、ある程度仕方ない部分はありますが、新築でも臭うケースがあります。


新築の場合発生率は稀ですが、配管などの接続不良による水漏れが原因の可能性があり、対処は速やかに行う必要があります。
 

目に見えない箇所で接続不良がある場合は後々の大きなトラブルになる可能性があります。
 

新築の場合、営業担当に連絡することですぐに対応してくれます。

多くの場合は営業担当と施工業者で現場を確認し修理や取替えを行ってくれます。

 

 

何らかの理由で施工後から入居までしばらく期間が空いてしまったケースや、温度変化が激しい土地や建物では、接合部のパッキンが緩むことが原因で接続不良がおき、水漏れが発生する場合があります。


配管の接合部を確認してみて、明らかな緩みがある場合は軽く締めてみましょう。 

他の方法としては、接着剤の付いていない非粘着テープを接合部に巻いてみることで悪臭を軽減できる場合があります。

 

1-2. 排水口ゴミ受けが臭う

キッチンの流し台にある水の流れ口や、排水パイプを含めて「排水口」といいます。

 

そして、

シンクの水が流れる箇所にある受け皿を、「排水口ゴミ受け」といいます。


この排水口ゴミ受けや、その周辺が茶色くヌメりを帯びていたり、黒ずみなどが発生してヌルヌルになっていたりしませんか?


その場合、生ゴミを栄養源として雑菌が繁殖して、バイオフィルムを形成していることが臭いの原因です。


排水口ゴミ受けに生ゴミを放置している状態であれば、数日でこのようなことになりかねませんので注意が必要です。

 

余談ですが、

良く間違えられる呼び方に"排水溝"があります。

排水溝は屋外に設置されるU字型の排水設備を指します。

"排水口"と読み方も同じ"はいすいこう"ですのでややこしいですよね。

施工業者に文字で伝える場合は漢字を間違えないように気をつけましょう。

 

1-3. 排水管からの逆流が臭う

シンクの排水を含めた住宅の水回りには必ず「排水トラップ」があります。
排水トラップとは、排水管または排水口の一部に水を溜め、下水からの空気が入らない構造にすることで、害虫や悪臭が入ってこないようにする設備のことです。


その溜めている水のことを、「封水(ふうすい)」や「水封(すいふう)」と呼びます。

漢字の並びが逆になっただけですが同じ意味です。

 

排水管のニオイが逆流する主な原因は、この封水の水が乾燥などにより減ってしまい、封水が機能していない場合に発生します。
 

原因の特定方法は、

キッチンやLDKを可能な限り締め切った状態で、キッチンの換気扇を回し、室内を陰圧にすると排水口から風が入ってくる場合、逆流が原因で臭っている可能性が非常に高いです。

 

 

2. ニオイのパターンと対策

一言で「クサイ」といっても様々なニオイのパターンがあります。

ニオイの原因に応じた対策が効果的ですのでご紹介いたします。

2-1. ガビのような臭い

原因

排水管内部にカビやバクテリアが繁殖していることが原因です。
湿気が多い環境や長期間にわたって清掃が行われていない状況が、カビの成長をさせ、黒ずみを発生させてしまいます。

カビの生育条件にもよりますが、短くて数週間で臭いが発生することもありますので、新築であっても油断は禁物です。


排水管であれば塩素系漂白剤で掃除すると解消しますが、シンク下からカビのようなニオイがする場合は、原因の特定を急ぎましょう。
 

対策

  • 排水管がカビ臭い場合

排水管からカビのニオイがする場合は、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤の用法用量に従い排水口に流し入れ5分程度待ち、流水を30秒程度洗い流すだけで十分効果があります。

臭いがなくなったか確認してみましょう。

 

  • シンク下がカビ臭い場合

カビの一番の原因は通気性です。基本的に風が当たるような通気性が良い場所ではカビは繁殖しません。


まず、アルコール系の除菌スプレーや消毒液を使って内部をタオルや雑巾で拭きましょう。

カビの餌となるような栄養を残さないためにも、比較的キレイなタオルや新品の雑巾を使うことをおすすめします。

 


その後、部屋の換気をしながら収納扉を開け、定期的に通気性を良くしてみてください。

風当たりが悪い場合、扇風機やサーキュレーターなどで風を当てる方法もあります。
 

数日間通気性を良くすることでカビ臭さが改善されるはずです。

 

数週間や数ヶ月続けてもカビ臭さが改善されない場合は、目に見えない部分が臭いの発生箇所になっている可能性が高いです。

カビの臭いは非常に厄介で、一度臭いが染みついてしまうとなかなか取る方法がありません。

 

どうしても臭いが取れない場合は清掃業者に相談したり、建材自体を張り替える等の対応をおすすめします。

 

2-2. 下水やドブ川の臭い

原因

排水トラップ内の封水が無くなり、下水の悪臭が逆流している可能性が高いです。
キッチンの空間を締め切った状態で換気扇を回してみると分かりやすいです。
 

対策

トラップ内の水が蒸発しないように定期的に水を流すなど、封水を保持することが重要です。
また、排水トラップが正しく機能しているか確認し、必要であれば修理や交換を行ってください。
下水の配管の臭いをすべて取り切るのは現実的ではありません。臭いが逆流しているパターンであれば掃除より設備の見直しを優先してください。
 

2-3. 汚いトイレのようなアンモニア臭

原因

尿素分解バクテリアが原因で発生することがあります。これは通常、排水管内で有機物が分解される過程で生じるニオイです。

対策

キッチンハイターなどの塩素系漂白剤で洗浄することが有効です。
雑菌やバクテリアなどの殺菌効果に加え、定期的に使用することで繁殖を抑え、臭いの発生を防ぐ効果があります。
また、
塩素系漂白剤と混ぜることはNGですが、クエン酸もアンモニア臭には効果的です。
臭いをいち早く取りたい場合はクエン酸も試してみることをおすすめします。
 

2-4. 酸っぱいような臭い

原因

食品の腐敗や発酵が進行する際に発生するニオイが原因です。
例えば、排水管内に詰まった食品残骸が酸化し、酸っぱい臭いを発生させることがあります。
 

対策

アンモニア臭なのか酸っぱいニオイなのか、発生している臭いの違いは繁殖している雑菌の違い程度の理解で問題ありません。いずれにしても塩素系漂白剤が効果的で、定期的に使用することで繁殖を抑え、臭いの発生を防ぐ効果があります。

 

 

3. これだけはやってほしい!シンクのニオイを解消するための3つのポイント

臭いの原因の半数以上は雑菌やバクテリアの繁殖や増殖です。


雑菌が増殖するための三条件(栄養分、温度、水分)を満たさないように対策することが、ニオイを解消するためのポイントになります。


意識的に対策することをおすすめします。
 

3-1. 餌を取り除く

第一条件は「栄養分」となる生ゴミを残さないことです。


排水口ゴミ受けに引っかかるような大きさの生ゴミは雑菌の栄養分として十二分の量があります。

雑菌も生き物ですので餌となるゴミを無くすことで増殖できない環境を作ることが出来ます。
 

 

3-2. 清掃の頻度について考える

第二条件は「温度」です。

 

季節によって雑菌の増殖速度に差があるため、気温や温度に合わせて清掃の頻度を調整しましょう。


雑菌の増殖しやすい夏は清掃頻度を増やしたり、冬は清掃頻度を減らすなどで調整しましょう。
 

 

3-3. 殺菌除菌を行う

第三条件は「水分」ですが、水回りの台所場では水分を除去することは難しいです。


そのため、乾燥させることを含め殺菌除菌を定期的に行う必要があります。


雑菌は一定数以上増殖すると爆発的(等比級数的)に増殖すると覚えておいてください。
そのため、一定数以上増殖させないために、こまめな殺菌除菌が効果的です。

 

キッチンハイターなどの塩素系漂白剤を一週間に一回程度の頻度で使用しても効果を実感できます。

 

熱湯なども殺菌効果はありますが、設備の故障に繋がりますので控えたほうが良いでしょう。
 

 

4. 洗浄剤の特徴と適した汚れについて解説

キッチンのシンクやお風呂場などに使用する洗浄剤は概ねこの5つではないでしょうか。


対応した汚れに対して用いるのが効果的です。
ただし、
クエン酸のような「酸性タイプの洗浄剤」と、重曹や次亜塩素酸ナトリウム、セスキ炭酸ソーダなどの「アルカリ性タイプの洗浄剤」は混ぜると有毒なガスが発生するため大変危険です。


必ず用法を守って、適切な使い方を心がけましょう。
 

洗浄剤の名称特徴適した汚れ
重曹弱アルカリ性の洗浄剤。安全性の高い洗浄剤で、油汚れやニオイ取りだけでなく研磨力を持ち合わせているため、こびり付いた汚れにも強い。・まな板のニオイ取り
・コップの茶シブ
・コンロの油汚れ
クエン酸弱酸性の洗浄剤。食品添加物としても使用され安全性が高い。水垢や石鹸カスなどに用いられることが多い。・まな板などのニオイ取り
・ポットの水垢
・シンクの水垢
セスキ炭酸ソーダ弱アルカリ性の洗剤で、重曹よりも強力な洗浄力を持ちながら、環境に優しい。特に油汚れに強い。・油汚れ
・換気扇の汚れ
・コンロの汚れ
酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)オキシドールや過炭酸ソーダと呼ばれることもあり、強い酸化力を持ち、色素汚れを分解する能力がある。無臭で環境にも優しい洗剤。・コップの茶シブ
・排水口の汚れ
塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)強アルカリ性の漂白剤。強力な漂白作用、殺菌効果を持ち、臭いの原因となる雑菌やバクテリアの除去に最適。・しつこいカビ
・雑菌やバクテリアの除去

 

5. 掃除の疑問やニオイが発生しにくい使い方をご紹介

一時的なニオイ対策は定期的に行うことでより効果を発揮します。
臭ってから対処するのではなく、なるべくニオイの発生しない環境を構築しましょう。
 

5-1. キッチンの掃除の頻度はどれくらい?

雑菌は温度が適切な環境では急速に増殖するため、定期的な清掃が不可欠です。

週に一回程度を基準に、一回あたり15分程度の掃除を心掛けるといいでしょう。
また、乾燥させることもポイントです。


雑菌やバクテリアは乾燥した環境では生きていけないので、夕食が終わった後に「排水口ゴミ受け」など取り出せるものは流し台に引き上げ、乾燥させることも増殖を抑えるためのポイントです。
 

5-2. キッチンの洗浄剤はいっぱいあったけど、すべてあったほうがいいの?

キッチンの清掃には、「クエン酸」、「セスキ炭酸ソーダ」、「塩素系漂白剤」の3つがあれば様々な汚れに対応可能です。
これらを適切に使い分けることで、ニオイのしないキッチンを保つことが出来ます。
 

 

5-3. 消臭剤や芳香剤は効果ないの?

基本的には臭いの原因を絶つことが重要です。

「ほんの少しだけニオイが気になる」程度であれば消臭剤や芳香剤でのニオイ取りの対策の有効かもしれませんが、ニオイ取りの対策は根本的な解決に繋がらないため注意が必要です。


まずは、この記事での対策を行った後で検討してみてください。
 

5-4. シンク下に収納を工夫する

シンク下のカビ対策は、長く住む家なら考えておいたほうが良いでしょう。
余裕があれば除湿剤を設置するなどができれば万全ですが、湿気を溜めない習慣をつけることがポイントになります。


例えば、
毎週使うような掃除用具や買い物袋、新品のゴミ袋の保管場所にしましょう。

また、プラスチックゴミを捨てるためのゴミ箱(生ゴミや缶などは湿気を多く含むので逆効果)を設置するなどでも問題ありません。


こうすることで、定期的に収納スペースの空気が循環し、シンク下にカビが生えづらい環境にすることが出来ます。
 

 

6. まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

この記事では、シンクのニオイ対策として「ニオイの箇所」「ニオイの種類」に応じた対策が有効であることをご紹介しました。


さらに、雑菌の増殖を防ぐ「三条件」も意識することで、ニオイの気にならないキッチンを実現する方法をお伝えしました。

 

 

これらの対策を実践することで、より衛生的で快適なキッチンを保つことが可能です。
シンクのニオイが気になる方は実践してみてはいかがでしょうか。

 

 

以上、「新築でも臭う?シンク下や排水口のニオイを解消するための3つのポイント」でした。


これで、清潔で快適なキッチンライフをお楽しみいただければ幸いです。
 

この記事を書いた人

ホームマップ編集部

一級建築士や宅地建物取引士、インテリア・福祉住環境コーディネーター、住宅営業、およびファイナンシャルプランナーが在籍しております。私たちは、住宅や生活空間に関する深い知識と実務経験を生かし、読者の皆様にとって有益で実践的な情報を提供することを目指しています。家づくりに必要な知識から、インテリアの最新トレンド、資金計画まで、各分野の専門家が連携を取りながら、質の高い内容をお届けします。私たちの記事が、より良い家づくりを実現するお手伝いとなれば幸いです。

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