キッチンで最適なゴミ箱の配置とは?使いやすさを向上させる2つのポイント
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キッチンにおけるゴミ箱と、そのゴミ箱を置くスペースをなんとなくで決めていませんか?
ゴミ箱の配置を誤ると、使い勝手を損なうだけでなく、生ゴミからの不快な臭いを招き、キッチンの快適性を大きく左右します。
新築時には収納ばかりに注目が集まり、ゴミ箱のスペースを深く考えずに設計してしまうことは意外とあるケースで、失敗談や後悔の原因となることも。
この記事では、ゴミ箱の理想的な配置や使い方のポイントを詳しく解説します。
既存のキッチンでも新築のキッチンでも役立つ情報ですので参考にしてみてください。
アイデアを取り入れ、正しいゴミ箱の置き場所を見直し、機能的で清潔なキッチン空間を実現しましょう。
1. ゴミ箱を設置する際に考えるべきポイントは2つだけ
ゴミ箱を配置する際のポイントは2つだけ。
以下の2つの質問に即答出来るのであればおそらく、最適な配置でキッチン空間を実現できているでしょう。是非、チェックしてみてください。
1-1. 一週間で出るゴミの量は概ね何リットルか答えられますか?
ライフスタイルによって様々ですが、ご自身の家で一週間で出るゴミの量は概ね何リットルか知っていますか?
ゴミの量が多い場合、小さなゴミ箱だと頻繁にゴミを捨てる必要があり、これがキッチン作業の効率を下げる原因になります。
一般的な一週間のゴミの量は、家族4人で100L程度です。
ゴミの回収は週に2回ありますので、45Lのゴミ袋では少し詰め込んでちょうどということになります。出てくるゴミの量に合わせて適切なゴミ袋を選択しましょう。
後ほど解説しますが、ゴミの量はライフスタイルによっても大きく変わります。
自分のライフスタイルはゴミが多いのか、少ないのか、しっかり把握しましょう。
1-2. おしゃれさと利便性のどちらを優先するか方針は決まっていますか?
ゴミ箱を隠し、生活感を出さないおしゃれさと利便性のどちらを優先するか方針は決まっていますか?
両者は相反する関係にありますので、選び方を間違えると配置を失敗する原因になります。
もちろん利便性とおしゃれさの両方を満たすことができれば素晴らしいことですがなかなか難しいです。
例えば、
スマートなタワー型のゴミ箱にしてしまうと容量が少なく利便性が下がります。
シンク下の収納スペースにゴミ箱を設置するのは非常にスマートでおしゃれですが、これもまた利便性が悪いです。
ゴミ箱の配置は、ゴミの種類によって配置場所や使いやすさを考慮して決めることが重要です。
2. ライフスタイルごとのゴミの量を知る
ゴミの量は個々のライフスタイルによって大きく異なり、2倍から3倍にもなることがあります。
ゴミの量が多い場合、小さなゴミ箱を設置したのでは頻繁にゴミ出しをしなければならず、これがキッチンの作業効率を低下させる原因となります。
適切なサイズのゴミ箱を選ぶことで、キッチン作業がスムーズに進み、清潔な環境を保ちやすくなります。
一般的には、650×800mm前後のサイズである45Lのゴミ袋が標準サイズです。
4人家族の場合、週2回のゴミ捨てでちょうどのサイズになります。
では、ゴミが多い傾向にあるライフスタイルを解説します。
2-1. 家族が5人以上いる場合
単純に家庭人数が多いほど、日常生活で消費される食品、飲料、日用品が増え、それに伴い包装材や食べ残しのゴミも多くなります。
2-2. 食事のほとんどを自宅で作る場合
自炊をする家庭では、食材の包装材、生ゴミ、使用済みの調理器具の洗浄によるゴミなどが日常的に多く発生します。
包装材や生ゴミは意外とかさばるので、自炊するライフスタイルの方は特に考慮が必要です。
2-3. ペットを飼っている場合
ペットの餌の包装、使用済みのトイレ砂、毛の抜け落ちなど、ペット関連のゴミが日常的に発生します。
2-4. 手芸や工作を趣味で楽しむ場合
趣味で工作や手芸を楽しむ人は、材料の残骸や使い切れなかった素材など、創作活動に伴うゴミが多くなる傾向があります。
2-5. オンラインショッピングを頻繁に利用する場合
オンラインでの買い物が多いと、商品の配送で使用される段ボール箱やプラスチックの包装材、緩衝材などのゴミが増えます。
2-6. 在宅ワークが基本の場合
自宅でビジネスを行っている人は、オフィス用品、文書の廃棄物、プリンターのカートリッジなど、事務関連のゴミが家庭のゴミとして出ることがあります。
2-7. ビールやペットボトルなどの飲料を頻繁に消費する場合
ビールの缶やビン、ペットボトルなど、毎晩晩酌をされる方や健康のために炭酸水などを飲まれる方は多くなる傾向になります。
頻繁に消費するライフスタイルの場合は、キッチンだけでなく他の部屋や外部のステーションを利用するなど工夫が必要です。
2-8. 書類やチラシなどの紙類が多い場合
大切な書類や、ポスティングのチラシ、町内会のお知らせ、子供が学校からもらってくる紙類などもゴミが多くなる原因になります。
総じて、家族が多い場合や、食事の多くを自宅で作る家庭では、特にゴミが多くなる傾向にあります。
燃えるゴミにしても生ゴミとは別のゴミ箱を用意することなどの対策が効果的です。
3. ゴミ箱の種類を知る
燃えるゴミ、燃えないゴミ、缶、ビン、ペットボトル、これらのゴミ箱が一列に並びおしゃれにしてあると気持ちいいですよね?
ですが、魅せる収納と利便性を両立することは難しいです。
おしゃれさを優先するか、利便性を優先するかはしっかり考えることが重要です。
3-1. ゴミ箱の大きさ
キッチンのメインとなるゴミ箱は大開口のゴミ箱がおすすめです。
リビングや浴室、寝室などの小さなゴミ箱を移しやすい形状が良いです。
家族4人であれば45Lゴミ袋が取り付けられるゴミ箱が一つの目安です。
3-2. ゴミ箱の形状
ボックスタイプ
シンプルでありながら堅牢な構造を持っており、多くの場合、見た目が洗練されているためインテリアにもなじみやすいです。
内部にゴミ袋をセットしやすく、外見からゴミが見えないので、清潔感を保つことができます。
ゴミ箱の利便性を優先したい場合は蓋なしのボックスタイプがおすすめです。
フレームのみのタイプ(スタンドタイプ)
軽量でゴミ袋を取り付けるだけのシンプルな構造。
大きめのサイズを置いても圧迫感がなく、価格も手頃で清掃が簡単なことが特徴です。
ボックスタイプと比べて、ゴミ袋のサイズによって拡張性があり、ゴミの量が見える点も利便性を高めています。
ゴミ箱のサイズで悩んでいる方やデザインを決めきれない方に最初のゴミ箱として選択してみてはいかがでしょうか。
蓋付きタイプ
蓋がついていることでゴミの臭いの漏れを防ぎ、害虫の侵入を防ぐことができます。
また、見た目が整理され、衛生的な印象を保つことが可能です。
ゴミの臭いが気になるキッチンに最適で、センサー式などワンタッチ開閉機能を持つものがおすすめです。
一方で、湿気や臭いがこもりやすく開閉が面倒なため、結局蓋を取り外して使用しているケースも多いです。
ゴミ箱のおしゃれさを優先したい場合は検討してみましょう。
キャスター付きタイプ
移動が容易で、ゴミの位置を変える必要がある場所で便利です。
重いゴミを入れても楽に運ぶことができるため、掃除やゴミ出しの労力を軽減します。
キッチンボードの下や、シンクの下のゴミ箱スペースを検討している方におすすめです。
このような狭小スペースにゴミ箱を設置したい場合は蓋の開閉する向きにも注意が必要です。蓋の開閉距離が短くなるタイプを選択しましょう。
ワゴンタイプやタワータイプのダストボックスもありますので、おしゃれさを優先したい場合は検討してみましょう。
連結ゴミ箱タイプ
複数のゴミ箱を連結して一つのユニットとして使用できるため、ゴミの分別が簡単に行えます。
キッチンやオフィスなど、複数の種類のゴミが出る場所での整理整頓に役立ちます。
並べるとおしゃれに見えますが、スペースを多く取るため、捨てる頻度が多い生ゴミや、燃えるゴミは別のゴミ箱を用意するなどの工夫も検討しましょう。
これらのタイプを選ぶ際には、ゴミの量、ゴミの種類、設置場所のスペース、使用目的などを考慮すると良いでしょう。
それにより、家庭でのゴミ管理がより効率的かつ衛生的に行えるようになります。
4. ゴミ箱の設置場所を決める
4-1. 生活導線を意識して置く
ペニンシュラキッチンなどの一番奥にゴミ箱を設置してしまうとごみ捨てが面倒になります。ダイニングのゴミをキッチンのゴミ箱に入れる場合、比較的狭いシンク前を通る必要があり、料理をしている人がいると少なからず気になってしまいます。
ゴミ箱は可能な限り通路側に置くようにすると利便性が向上します。
4-2. 生ゴミはシンクの近くに置く
生ゴミのゴミ箱の位置はシンクから1mから1.5m以内に設置しましょう。
排水口ネットに溜まった生ゴミをゴミ箱まで持っていくことを想像してください。
生ゴミの水滴がポタポタと床に落ちるのは嫌ですよね?
使いやすさを考慮するのであれば、シンクから近いほうが良いでしょう。
4-3. 美観を考えて置く
おしゃれさを優先したいのであれば、ゴミ箱が目立ち過ぎないよう、またはインテリアに合うように選ぶといいでしょう。
リビングやダイニングから直接見えない位置に設置することがポイントです。
壁側のカップボードではなく、ペニンシュラキッチンやアイランドキッチンのシンク下にスペースを設けると概ねリビングから見えることはなくなります。
4-4. シンク下やキッチンボード下にスペースに置く
シンク下やキッチンボード下であれば、すぐにゴミを捨てることができ、料理がしやすいだけでなく、見た目もスマートにまとめることができます。
床と同じ高さにしておけばキャスター付きの土台がゴミ箱の移動を可能にし、利便性が更に向上します。
一方、扉付きの普通のキッチン収納にゴミ箱を入れるようにして設置するケースがありますがおすすめしません。
確かに美観としてはゴミ箱の気配を感じさせないほど整ったものになりますが、ゴミ箱は湿気を多く含むため通気性が確保されない狭い空間に入れてしまうと、悪臭やカビの原因になります。
更に、収納扉の開閉に加えて蓋付きゴミ箱の開閉もあるので非常に面倒に感じるでしょう。
美観を優先しすぎないようにするのも、ゴミ箱の配置で失敗しないコツになります。
5. ゴミ箱の配置や使い方のアイデアを取り入れる
5-1. 高級感あるデザインのゴミ箱にする
ステンレス製など高級感のあるデザインのゴミ箱は、キッチンやリビングなどのインテリアと調和しやすく、部屋の雰囲気を壊しません。
非常に多機能なゴミ箱もありますので、隠す場所がない場合はゴミ箱をインテリアとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
5-2. ゴミ毎に別々の場所にする
臭いの気になる燃えるゴミと比べ、缶、ビン、ペットボトルなどの資源ごみは、水で濯げば臭いも気にならないことが多いです。
別々の置き場所にすることで、美観を考慮しながらごみ捨て作業の効率が図れます。
例えば、
パントリーやランドリースペースなどのデッドスペースに、缶、ビン、ペットボトルを捨てる場所を設けることで、スッキリとしたキッチンにすることができます。
来客が多いけどLDKはそれほど広くない場合などに有効な手段です。
5-3. 勝手口など家の外に大きなゴミコンテナを設置する
大きなゴミコンテナを使用することで、一度に多くのゴミを処理でき、頻繁にゴミを外に出す手間を省けます。
家の外にゴミコンテナを設置することで、キッチンや家の内部に臭いが漏れるのを防ぎ、居住空間を快適に保つことができます。
夜寝静まる頃には動物が徘徊することもありますので、必ず蓋付きで動物が簡単に開けられないようなコンテナにしましょう。
5-4. 置き場所がない場合の工夫
前述ではシンク下やキッチンボード下などの収納スペースは湿気が溜まりやすいのでおすすめしないと解説しましたが、水気の含まない、あるいは、水気を乾燥させたゴミであれば問題ありません。
例えば、缶やビン、ペットボトルに加え、プラスチックゴミなどは乾燥させ、水気の含まない状態であればキッチン収納のスペースを使うことができます。
他にも、冷蔵庫の隙間など利用されていないデッドスペースがある場合、突っ張り棒やDIYを用いてスペースを有効活用し、ゴミ箱の置き場を作ることができます。
ゴミ箱の置き場所がなくて困っている方は、これらの方法を試すことをおすすめします。
さらに、屋外にゴミ箱を設置するアイデアも合わせて検討してみてください。
6. まとめ
いかがでしたでしょうか。
ゴミ箱を設置する際に重要な2つのポイントを詳しくご紹介しました。
ライフスタイルに合わせたゴミの量を正確に把握し、機能性とデザインのバランスを考慮しながらゴミ箱を選ぶことが、キッチンをより快適に保つ鍵です。
今回のポイントを活かし、効率的かつ美しいキッチン環境を整えて、日々のキッチンライフを楽しんでください。
以上、「キッチンで最適なゴミ箱の配置とは?使いやすさを向上させる2つのポイント」でした。

ホームマップ編集部
一級建築士や宅地建物取引士、インテリア・福祉住環境コーディネーター、住宅営業、およびファイナンシャルプランナーが在籍しております。私たちは、住宅や生活空間に関する深い知識と実務経験を生かし、読者の皆様にとって有益で実践的な情報を提供することを目指しています。家づくりに必要な知識から、インテリアの最新トレンド、資金計画まで、各分野の専門家が連携を取りながら、質の高い内容をお届けします。私たちの記事が、より良い家づくりを実現するお手伝いとなれば幸いです。