平屋を新築で建てるとどれくらいの費用がかかる?
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近年人気が高まっている平屋を新築で建てることを検討されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、平屋の建築には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
平屋の建築費用は、延床面積や構造、仕様、建築地域などによって大きく異なります。
また、建物本体の工事費用だけでなく、土地購入費や各種手数料、外構工事やインテリア工事など、様々な付帯費用も考慮する必要があります。
1. 平屋を新築する際の建築費用の相場
平屋を新築する際の建築費用の相場は、延床面積や構造、仕様、建築地域などによって大きく異なります。一般的に、平屋の建築費用は2,000万円から4,000万円程度が相場と言われています。
ただし、この金額は基本的な仕様の平屋を想定しているため、高級な材料を使用したり、こだわりの設備を導入する場合は、さらに費用が増加する可能性があります。
1-1. 平屋の延床面積と建築費用の関係
平屋の建築費用に大きく影響するのが、延床面積です。
延床面積が広くなるほど、必要な材料や工事量が増えるため、建築費用も高くなる傾向にあります。
一般的な目安として、延床面積が10坪増えるごとに、建築費用は約300万円から500万円程度上昇すると考えられています。
1-2. 平屋の構造・工法による建築費用の違い
平屋の構造や工法によっても、建築費用は異なります。
代表的な構造・工法としては、以下のようなものがあります。
- 木造軸組工法
- 鉄骨造
- RC造(鉄筋コンクリート造)
- ツーバイフォー工法
一般的に、木造軸組工法が最も建築費用が安く、RC造が最も高いと言われています。
ただし、地域や施工会社によって価格差は異なるため、一概には言えません。
1-3. 平屋の仕様・グレードと建築費用の関係
平屋の仕様やグレードによっても、建築費用は大きく変動します。
例えば、以下のような要素が建築費用に影響を与えます。
- 外壁や屋根の材質
- 断熱材の性能
- 建具(ドアや窓)の種類
- 内装材の質
- 設備(キッチン、バスルーム、トイレなど)のグレード
高級な材料や設備を選ぶほど、建築費用は高くなります。
予算に応じて、適切な仕様・グレードを選択することが重要です。
1-4. 平屋を建てる地域による建築費用の差
平屋の建築費用は、建築する地域によっても差が生じます。
一般的に、大都市圏や地価の高い地域では、建築費用が高くなる傾向にあります。
また、地域ごとに建築基準や条例が異なるため、必要な手続きや工事内容が変わることで、建築費用に影響を与える可能性があります。
平屋を新築する際は、建築予定地の地域性を考慮し、複数の施工会社から見積もりを取ることをおすすめします。
以上が、平屋を新築する際の建築費用の相場についての解説でした。
平屋の建築費用は様々な要因によって変動するため、自分の予算や希望に合わせて、最適なプランを検討することが大切です。
2. 平屋の新築に必要な諸経費
平屋の新築に必要な諸経費について詳しく解説していきます。
平屋を新築する際には、建物本体の工事費用だけでなく、土地購入費や各種手数料、外構工事やインテリア工事などの付帯費用も考慮に入れる必要があります。
これらの費用を把握しておくことで、予算の立て方や資金計画がスムーズに進められるでしょう。
それでは、平屋の新築に必要な主な費用項目を見ていきましょう。
2-1. 土地購入費用と造成工事費
平屋を新築する際に最初にかかる費用が、土地の購入費用です。
土地の価格は地域や立地条件によって大きく異なりますが、一般的に都市部ほど高く、郊外や地方になるほど安くなる傾向にあります。
また、土地の形状や接道状況、地盤の状態なども価格に影響します。
土地購入の予算は、物件の広さや希望のエリアを考慮して決めていくことが大切です。
土地を購入した後は、必要に応じて造成工事を行います。
造成工事とは、地盤を整地したり、排水設備を整えたりする工事のことで、土地の状態によって造成工事の規模や費用は変動します。
特に山間部や傾斜地など、複雑な地形の土地の場合は、大規模な造成工事が必要となり、費用も高額になる可能性があります。
2-2. 設計料と各種申請手数料
平屋を新築する際には、設計事務所に依頼して設計図を作成してもらう必要があります。
設計料は設計事務所によって異なりますが、一般的に建物の延床面積に応じて算出されます。
平屋の場合、2階建てや3階建てに比べて延床面積が広くなる傾向にあるため、設計料も割高になりがちです。
ただし、シンプルな間取りであれば設計料を抑えられる可能性もあります。
また、平屋の新築には各種の申請手続きが必要です。具体的には、建築確認申請や工事届、上下水道の接続申請などがあります。
これらの申請手数料は自治体によって異なりますが、数万円から数十万円程度が相場です。
申請手続きは設計事務所や工務店に依頼することも可能ですが、その場合は別途手数料がかかります。
2-3. 外構工事とインテリア工事の費用
平屋を新築する際には、建物本体の工事だけでなく、外構工事やインテリア工事も必要になります。
外構工事とは、建物の周囲の環境を整える工事で、具体的には門扉や塀、アプローチ、植栽などの工事が含まれます。
外構工事の費用は、工事の内容や規模によって大きく異なりますが、一般的に建物本体の工事費の10〜20%程度が目安とされています。
また、インテリア工事には、内装の仕上げ工事や建具の取り付け、照明器具の設置などが含まれます。
インテリア工事の費用は、使用する材料やデザインによって変動しますが、建物本体の工事費の20〜30%程度が一般的です。
外構工事とインテリア工事は、建物本体の工事とは別に発注することも可能ですが、トータルでコーディネートした方が仕上がりに統一感が出ます。
2-4. ローンに関わる費用と税金
平屋を新築する際には、多くの場合、住宅ローンを利用することになります。
住宅ローンを利用する際には、借入金の元本だけでなく、金利や手数料など、さまざまな費用がかかります。
具体的には、借入金の元本に対する金利、ローン契約時の事務手数料、火災保険料、登記費用などがあります。
これらの費用は、ローンの借入期間や金利タイプ、借入金額などによって異なります。
また、平屋の新築には、不動産取得税や登録免許税、固定資産税などの税金がかかります。
不動産取得税は土地や建物の取得価格に応じて算出され、登録免許税は登記の際に必要な税金です。
固定資産税は毎年1月1日時点の土地や建物の所有状況に応じて課税されます。
これらの税金は、物件の所在地や評価額によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
3. 平屋の新築で建築費用を抑えるポイント
ここでは、平屋の新築で建築費用を抑えるための具体的な方法を詳しく解説していきます。
シンプルな間取りや屋根形状の工夫から、標準的な設備・建材の選択、建築会社選びのコツ、DIYによる仕上げ費用の削減まで、平屋を建てる上で知っておきたい節約術を網羅しています。
3-1. シンプルな間取りと屋根形状で建築費用を節約
平屋の建築費用を抑えるには、まず間取りをシンプルにすることが重要です。
複雑な間取りは建築費用を押し上げる要因になります。
廊下やホールなどの共用部分を最小限に抑え、部屋数を必要最低限にすることで、建築面積を減らし、建築費用を節約できます。
また、屋根形状もシンプルにすることで建築費用を抑えられます。
複雑な屋根形状は施工が難しく、材料や人件費がかさみます。
切妻屋根や寄棟屋根などのシンプルな屋根形状を選択することで、建築費用を節約できるでしょう。
コンパクトな間取りのメリット
コンパクトな間取りは、建築面積が小さくなるだけでなく、暖房や冷房の効率も良くなります。
光熱費の節約にも繋がるため、長期的な維持コストの削減にも効果的です。
屋根形状による建築費用の違い
屋根形状による建築費用の目安は以下の通りです。
屋根形状 | 建築費用の目安(平屋30坪の場合) |
---|---|
切妻屋根 | 約1,200万円〜1,500万円 |
寄棟屋根 | 約1,300万円〜1,600万円 |
片流れ屋根 | 約1,100万円〜1,400万円 |
片流れ屋根が最もシンプルで建築費用を抑えられますが、デザイン性を重視する場合は切妻屋根や寄棟屋根も検討してみましょう。
3-2. 標準的な設備・建材を選択して無駄を省く
平屋の建築費用を抑えるには、設備や建材選びも重要なポイントです。
高級な設備や特注品を使うと建築費用が高くなる傾向があります。
標準的な設備や建材を選択することで、無駄を省き、建築費用を節約しましょう。
例えば、キッチンやバスルームは、メーカー製の規格品を選ぶことで費用を抑えられます。床材や壁材も、汎用性の高い材料を選べば、材料費を節約できるでしょう。
設備選びのポイント
設備選びの際は、省エネ性能や耐久性も重視しましょう。
初期費用が多少高くても、長期的には光熱費や修繕費の節約に繋がります。
建材選びのポイント
建材選びの際は、メンテナンス性やリフォームのしやすさも考慮しましょう。
将来的なリフォームや修繕を見据えて、費用対効果の高い建材を選ぶことが大切です。
3-3. 建築会社選びと見積もり比較のコツ
平屋の建築費用を抑えるには、建築会社選びと見積もり比較も欠かせません。
複数の建築会社から見積もりを取り、価格や内容を比較することが重要です。
単に価格が安いだけでなく、施工品質やアフターサービスも考慮して、総合的に判断しましょう。
また、建築会社との交渉も大切です。自分の予算や希望をしっかりと伝え、無理のない範囲で建築費用を調整してもらいましょう。
建築会社との信頼関係を築くことが、良い住まいを建てるための第一歩です。
見積もり比較のポイント
見積もりを比較する際は、以下の点に注意しましょう。
- 見積もりの内容が同じか(仕様や材料など)
- 見積もりに含まれない項目がないか
- 支払い条件や工期に大きな差がないか
建築会社選びのポイント
建築会社選びの際は、以下の点を確認しましょう。
- 施工実績や経験が豊富か
- アフターサービスや保証内容は充実しているか
- 担当者との相性や信頼関係は築けるか
3-4. 自分でできるDIYで仕上げ費用を削減
平屋の建築費用を抑える方法として、DIYによる仕上げ工事も効果的です。
内装の一部や外構工事を自分で行うことで、人件費を削減できます。
ただし、DIYは安全面や施工品質に十分注意が必要です。
DIYに適した工事としては、クロスの張り替えやフローリングの張り替え、塗装工事などがあります。
外構工事では、植栽や花壇の設置、ウッドデッキの施工などが比較的取り組みやすいでしょう。
DIYを行う際の注意点
DIYを行う際は、以下の点に注意しましょう。
- 安全に作業できる環境を整える
- 必要な工具や材料を準備する
- 施工方法や手順を事前に確認する
- 無理のない範囲で作業を行う
DIYに適さない工事
一方で、電気工事や水道工事、ガス工事など、専門的な知識と技術が必要な工事はDIYに適しません。
これらの工事は、法律で有資格者の施工が義務付けられています。
また、構造に関わる工事や、高所での作業が必要な工事も、安全面からDIYには向きません。
無理なDIYは事故やトラブルの原因になりかねないため、注意が必要です。
まとめ
本記事では、平屋を新築する際の建築費用について詳しく解説しました。
平屋の建築費用は、延床面積や構造、仕様、建築地域などによって大きく異なりますが、おおよその相場は把握しておくことが大切です。
また、建物本体の工事費用だけでなく、土地購入費や各種手数料、外構工事やインテリア工事など、さまざまな付帯費用も考慮に入れる必要があります。
建築費用を抑えるためには、シンプルな間取りや屋根形状の工夫、標準的な設備・建材の選択、建築会社選びや見積もり比較のコツを押さえることが重要です。

ホームマップ編集部
一級建築士や宅地建物取引士、インテリア・福祉住環境コーディネーター、住宅営業、およびファイナンシャルプランナーが在籍しております。私たちは、住宅や生活空間に関する深い知識と実務経験を生かし、読者の皆様にとって有益で実践的な情報を提供することを目指しています。家づくりに必要な知識から、インテリアの最新トレンド、資金計画まで、各分野の専門家が連携を取りながら、質の高い内容をお届けします。私たちの記事が、より良い家づくりを実現するお手伝いとなれば幸いです。