
人にも環境にも優しい自然素材の家!断熱材も自然素材にこだわろう
木材や漆喰、和紙などの自然素材にこだわった家作りが人気を集めています。
自然素材の魅力は、人体や環境に優しいという点です。柱や壁、内装などに自然素材をふんだんに使った住宅は、ナチュラルな雰囲気になるのも人気の要因です。
ところが本当に自然素材の家にこだわりたいなら、目に見えない「断熱材」にこそこだわるのがおすすめです。
壁を覆う断熱材は、目には見えないものの大きな面積で使われるからです。今回は、自然素材の断熱材にスポットを当てていきます。
1. 自然素材の断熱材とは?
断熱材とは、外壁と内壁の間などに入れて室内と屋外の熱が伝わるのを防ぐためのものです。
断熱材がないと、寒い季節にいくら室内を温めても外気の冷気が伝わってしまいます。熱い季節のエアコンも同様です。断熱材を入れれば、少ないエネルギーで室内を快適に保てるのです。
断熱材は、使用している素材によって「化学性成材」と「自然素材」に分けられます。
「化学繊維」は発泡プラスチックやガラスを繊維状にしたグラスウールなどが材料になっています。
一方「自然素材」は、羊毛などの自然の素材が材料になっています。
シックハウス症候群など、化学物質に頼った家作りによる人体・環境への影響が問題になる昨今、自然素材の断熱材が注目を集めています。
2. 自然素材の断熱材のメリット
2-1. 安全性が高い
自然素材の断熱材のメリットは、何といっても安全性の高さです。
ホルムルデヒドやVOC(トルエン・キレシン他)フリーなので、シックハウスやアレルギー対策の面でも安全性が高いです。
断熱材に使用している素材はもちろん、接着剤にも科学系の物を一切使わず作られているのが自然素材の断熱材です。
2-2. 吸放湿性に優れている
湿度の高い時には吸湿し、湿度の低い時には放湿して湿度を一定に保つ「吸放湿性」にも優れています。
化学性成材の断熱材と異なり1本1本の非常に細い繊維からなる自然素材の断熱材は、繊維1本1本が湿度を含むことで、高い吸放湿性を実現しているのです。
2-3. 防火性・防音性に富んでいる
自然素材の断熱材の多くは、燃えた時に炭化して煙が立ちにくく延焼も防ぐ効果があります。
防音の効果も高く、生活音や子どもの声はもちろん、楽器を演奏したい時にもおすすめです。
3. 自然素材の断熱材のデメリット
3-1. 価格が高い
化学性成材と比べると、どうしても自然素材の断熱材は価格が割高な傾向にあります。
自然素材にこだわった家を建てるなら断熱材にもこだわりたいところですが、予算上厳しい場合もあるかもしれません。
3-2. 虫がつきやすい
天然繊維ならではのデメリットとして、虫がつきやすいことが挙げられます。
ただし防虫処理されているので実際に断熱材に虫がつきやすいということはありません。防虫処理も化学薬品を使わない配慮がされているものが多くなっています。
4. 自然素材の断熱材の種類
自然素材の断熱材は、次のような種類があります。それぞれ、施工の仕方についても紹介していきます。4-1. セルロースファイバー
段ボールや古新聞などの古紙から作られた天然木質繊維を使用した断熱材です。繊維間にたっぷり空気を含みます。
木ならではの吸放湿性の高さも魅力です。
施工の際には、綿上になったセルロースファイバーを噴き付けます。
4-2. ウール
その名の通り羊毛を使った断熱材です。「ウールブレス」「サーモウール」など、羊毛を使った断熱材はさまざまな種類があります。
羊毛1本1本にたっぷり空気を含み吸放湿効果が高いので、湿度の多い日本の気候に適しています。
ウール素材の断熱材はパネル状になっていて、手やハサミで簡単にカットできるのですき間なく施工できます。
4-3. 炭化コルク系
コルク樫という樹木が原料の断熱材です。コルク樫を砕いて高温で蒸し焼きにして作ります。
蒸気で固めているので接着剤は使われていません。コルクの栓にも使われている樹木を使用しているだけあって、耐水性に優れています。ダニ・カビを防ぐ効果もあります。
シート状やタイル状になっているので、ピンで固定していきます。
5. まとめ
人体や環境に優しい自然素材の家作りは、家族の健康を守り安心してくつろげる家にこだわりたい人から注目されています。
そして、室内の気温や湿度を快適に保ち、結露を防いだり音を漏らさないようにしたりする効果もある自然素材の断熱材を選ぶ人も増えています。
家が完成してしまえば目に触れることのない断熱材だからこそ、安全性の高い物を選びましょう。